鳴り止まぬクラクション

それは突然やってきた。

コンビニの駐車場へ入ろうとしたら、ゆっくりとこちらの出口へ向かってくる1台の車が目に留まる。

距離は十分にあるので、とりあえず先に駐車場へ進入し、脇に避けてからその車をパスしようと考えていたのだが、こちらに気付いていないのかどう言うわけか、急に加速して向かってくる車。

出入り口は狭いので、車が向い合せに停まったのではどちらかが譲るしかないと言う状況である。

まあ、こう言う時はつまらぬトラブルに発展しても困るので、動けるならこちらが後退しても良いのだが、一応ジェスチャーで譲ってくれないかと合図してみる。

向こうはこちらの意図に気付いたのか、後方を確認している様だ。
大変助かる。相手が下がってくれそうだ。そう思ったその時だった。

プーーーーーーーーー!!!!

なんだなんだ!?

プップーーーーーーーーーーーーーー!!!!

クラクションの音だ!

なんだよアイツ!怒らせるつもりはないのに、短気なのか物凄い勢いでクラクションを鳴らしまくっているじゃあないか!

プーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

プーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

なんだよ、まったく!
こっちが大人しく下がった方が良さそうだ。

ムッとしたので、相手を軽く睨みつける。

・・・ん?
相手の様子が変だぞ??

相手はかなり慌てた様子で、こちらに何度も頭を下げながら車を後退させている。

しかしこれだ。

プーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

なんなんだ??

いつまでもクラクションを鳴らしてはいるものの、相手が下がってくれたので、こちらは駐車場内へ入る事ができた。

これだけクラクションを鳴らすくらいだ。怒っているようだし、一言謝っておこうか?
と、相手の方へ車を近付いて行くと、急にスピードを上げて逃げる様に去って行ってしまった・・・

プーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

んんっ!?

マジかよ!!
クラクションを鳴らしていたのは相手じゃない!私の方だ!!(汗)

相手は、たぶんこちらが頻りにクラクションを鳴らし続ける事に驚いて、関わらない様にと逃げて行ったと言うところだろうか・・・

しかし、ホーンボタンに触れてもいないのに、何故クラクションが鳴りっぱなしになってしまうのか!

ハンドルの、エアバッグ兼ホーンボタンに手を掛けて手前に軽く引っ張ってみる・・・

・・・。

止まった。

再び手を離すと・・・

プッ ププッ ププーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

うわぁ、こりゃ中身がどうなってるかわからないが、回路がショートしているのか??

しかしハンドル周りを分解する工具なんて車には積んでいないし、どうした事か!

慌ててハンドル周りを確認すると、コラムカバーの左右に取り外せそうな蓋が付いている事に気付く。
とりあえず開いて見ると、2本のカプラーが出て来たのだが、片方がクラクションの配線の様だ。

引き抜くと無事に止まったので、とりあえずそのまま買い物を済ませて家に引き返す。


帰宅後、エアバッグの部分を開いて見ると、構造は単純で、ハンドル全体が大きなスイッチとなっているようだ。

上部2か所と赤丸の計3か所にトルクスネジが付いているのがわかると思うが、このネジがハンドルボス側に捻じ込まれていて、絶縁体を挟んで「C」のラベルの付いた手前のステーが直接触れない様になっている。

左手側に見えている端子が、ホーンボタンに電源を供給している+電源の様で、ハンドルボス側は-のアースと言う事らしい。

んで、この問題の赤丸の部分ですが、絶縁体が劣化して砕け、ネジとステーが金属同士で接触してしまっていた。

そこで、どうしたものかと考えていたのですが、シルビアは古いので、純正ハンドルの、この絶縁体がまだ入手可能なのだろうか?
ディーラーに行ってみない事にはわからない。

しかしだ!
ふと、手にしていたお茶のペットボトルに目が留まる。

この蓋・・・もしかして・・・?

試しに合わせてみるとサイズも丁度いい感じだ(笑)

他の部分の絶縁体リングを参考に、似た様な形にカッターで刳り貫き、ネジとステーの間に装着!

治った!完璧に治った!
厚さも丁度いい感じで、エアバッグカバーを取り付けても全く違和感もない。

試しにボタンを押さえてみると、問題なくクラクションも鳴る様だ!

すっげー!裏ワザ的な修理方法だが、意外とイケるぜぇ!!(笑)

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