ブレーキキャリパーのオーバーホール


ちょいと面倒臭い作業だけど、重要な部分だからね。
ブレーキのタッチや効き具合って、安全面だけでなく、サーキットでのタイムにも結構影響する部分。

安心して踏めるブレーキじゃないと、躊躇してダラダラと引き摺った様なブレーキングになっちゃうって事もあるので、バシッと減速の決まる信頼できるブレーキって重要なんだ。

キャリパーのオーバーホール自体は、そんなに難しい内容ではないです。

自宅でピストンが抜けるかどうかと言う問題はありますが、エアコンプレッサーがあれば難しくはないですね。
あとは、ダストブーツやシールを取り外して清掃後、新しいブーツとシールを取り付け、元通りにピストンを戻してやるだけ。

とは言っても、初めてやるとブーツを切ってしまったり、なかなか上手く組み立て出来ないって事もあるので、可能なら予備部品を用意しておいて、組み立て終わったAssyで交換作業に移るのが良いですね。


ちなみに、リアキャリパーのピストンは少し特殊で、捻じ込みタイプが多いです。
こう言うSSTを使って抜いたり、入れたりします。
もちろん、フロントのピストンを押し戻すのにも使えます。

ラジオペンチなどでも代用できますが、確実で安全な作業を行うのは鉄則ですね。
持っておいて損はないですよ。


小技ですが、これはフロントのキャリパーブラケット。
RX-8のフロントブレーキはグレードによってブレーキローターの径が異なり、ベースグレードなどは一回り小さいです。

このブラケットを、ベースグレード用とタイプS(またはRS)用で入れ替えるだけで、ブレーキサイズを気軽に変更する事が出来ます。
まあ、小さくする事は稀かもしれませんが、ベースグレードの方がブレーキをグレードアップしたい場合は、中古部品でキャリパーブラケットを拾ってくれば、キャリパー本体は共通部品なのでそのまま流用可能と言うわけです。

ちなみに、私は一応ベースグレード用のブラケットを1セット持ってます(笑)
使う機会はあるのかなぁ?

あと、ベースグレードでブレーキを拡大する場合は、バックプレートも交換するか、一部切削加工が必要になりますが、その程度でどうにでもなりますね。


さあ、お喋りしている間にオーバーホールが終わりました。
キャリパーは塗らない派ですが、洗浄時にワイヤーブラシでゴシゴシやっているので、錆防止の為に耐熱の黒色塗装で仕上げてあります。

当然ですが、ピストン側面やシリンダーに塗料が付かない様にマスキングし、ブーツは塗った後に取り付けてあります。
バンジョーボルトやリリーフバルブは再利用はしないので、ネジ部の保護の目的で使いました。


リアのキャリパーもこんな感じに。
ブラケットの方も後で塗っておきます。

最近のスポーツカーって標準でブレンボなどが採用されていたり、鮮やかな色が塗られていたりしますが、ノーマルブレーキだとちょっと見劣りしちゃいますよね。

黒色に塗るとホイールの隙間から覗いても目立たなくなるので、高価なブレーキに交換せずに隠せると言うメリット付き!・・・なんて(笑)

まあ、ブレーキキットってすっごい高いですからね。
本当に制動力や耐久性に不満があれば交換も検討しますが、RX-8クラスのブレーキだとレースで長時間の連続周回でもしない限りは特に問題ないと思います。

その辺りは懐と、自分の参加するカテゴリに応じて検討すると良いでしょう。
さて、暗くなる前に取り付けて、塗料の焼き入れに行ってきますかね!

耐熱塗料は、意識的にブレーキに熱を入れてやる様に30分~1時間程度ドライブしていれば勝手に完全硬化してくれます。
ハードに踏み込んだりする必要はないですが、街中で熱を入れようと思っても難しいので、峠道などをのんびりドライブしながら、敢えて下り坂で緩めのブレーキを少し長く引き摺る感じで踏んでいれば良いでしょう。

ただ、下り坂であまり長く踏み過ぎるとフェードを起こす可能性もゼロではないので、気を付けてくださいね!
まあ、最近の車でそんな簡単にフェードは起きませんが、熱を入れようって意識していると何とも言えないところですね(笑)

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