ロードスターの4連スロットル化とエアーガイド加工


NAエンジンのチューニングに於いて、極地と言えるのが、この独立型の多連スロットル。

トヨタ カローラ・レビンorスプリンター・トレノ(AE101/AE111)からの流用が定番ですが、4気筒の同調を取るのが面倒な事と、アクセルワイヤーやホース類の取り回しに頭を抱える事になりますよね。
取り付け、調整後の達成感は凄まじいものがありますが…(^^;;

しかし「複雑=性能」とはならず、むしろ複雑なシステムはトラブルの元です。

"simple" is "best"

高品質なキットを使って仕上げる方が、美観も損ねず、イージーに作業出来ます。


マルハモータース製のキットですが、2気筒が一組となるため、同調が取り易く、専用キットのため、アクセルワイヤーや燃料ホースの取り回しに無理がなく、ISCVもそのまま使えるので、アイドリング制御も完璧です。

ファンネルは1サイズのみのラインナップですが、ネジ穴はソレックス用のファンネルが適合するため、それなりに自由度は高いでしょう。


レイアウトの都合上、エアフローセンサーを用いるLジェトロ制御から、Dジェトロ制御、またはα-N制御となるため、圧力センサー及びスロポジセンサーとフルコンが必須となりますので、購入時はこちらも含めて予算検討する必要があります。

その他、ハイフローとなるためインジェクタ容量の見直しが必要である事。
また、唯一の欠点が、付属の燃料ホースの品質がいまいちで、比較的曲げのキツイ部分が非常に裂け易いです。(気を付けないと、車両火災に…)
自分はSTARFLEX製のホースに変更しました。

他には、スロットルにプロトタイプのベンチュリを装備しており、正直言って体感は出来ませんが、計測上はトルクの立ち上がりが約500rpm程下方修正されてパワーバンドが広くなっています。

良く噂される低速トルクの低下は、どうしてもハイスロットル系のチューニングとセットで考えなければならない、ハイカム化の影響の方が大きいのではないかと思われます。
具体的には、低速域に於ける過度なオーバーラップなど。
スロットルのみ大きくしても、その先で渋滞しては無意味なので、ハイカム化やポート加工は絶対に外せない部分であり、どうしても付加する悩みです。

この辺りは、NB8C後期の可変バルブタイミング制御を上手くセッティングすれば、アイドリングの安定化や、低速域のトルク低下をスポイル出来ますので、VVT制御に対応したフルコンを用いるのが得策。

1.6Lモデルは辛い所ですが、NA8C及びNB8C前期であれば、原動機型式は変わらないため、NB後期のヘッド流用でも公認取得不要なのでお勧めです。


吸気位置が助手席側から運転席側に移るので、バンパー開口部のエアーガイドを加工。

標準では吸気口が助手席側に位置しているため、ヘッドライト裏に穴があり、このエアーガイドもバンパーの開口部から積極的に左フェンダー内へ外気を送り込むように設計されています。

しかし、4連スロットル化や吸気管短縮などによって、吸気口が運転席側に移動した場合、外気の取り込み位置は理想的とは言えなくなってしまいます。

そこで、運転席側のヘッドライト裏も、助手席側と同様に切削して穴開け加工を行い、同時にエアーガイドも助手席側の形状に合わせてカット&樹脂板貼り付けを行いました。


バンパーの方も、潔くフォグランプを撤去して両側にカーボン製のファンネルを装着。

ダクトを引こうか迷ったのですが、バンパー裏はフェンダーライナーで塞がっており、袋状になっています。
そのままエンジンルーム側に開いた穴の方へ勝手に空気が流れて行きそうだったので、敢えてこのまま様子を見る事に。

ECUのログによる吸気温度の差と安定感は、加工前に比べて随分と改善されました。

吸気温度対策にお悩みの方は、遮熱も良いですけど、外気導入口を見直してみては如何でしょう?

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